きくち 2代目・菊池雅人から
みなさまへ

「一人ひとりの幸せと平和な世界をお菓子でつくる」という思いは、「お菓子の香りは平和の香り、お菓子づくりは平和づくり」という言葉がきっかけで生まれました。
遡ること30年以上前、先代である父の店に作家・西村滋さんが来社されました。そのときに父が西村さんの著書である『お菓子放浪記』へのサインをお願いしたところ、名前とともに書かれていたのが先ほどの金言だったのです。『お菓子放浪記』は、戦争孤児である西村さん自身の放浪の旅と、人生を通じたお菓子との関わりを綴った物語です。この本といただいた言葉はずっと私の心の中にありました。
その後、2004年に父から代を継ぎ、改めてこの言葉に触れたとき、私がお菓子を作る意義がここにある感じました。「幸せと平和な世界をつくる」というと少し仰々しく感じるかもしれませんが、私たちらしく実直に、一歩ずつ目標に向かって進んでいきたいと思っています。